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渦流量計

渦流量計は 流れの中で 物体の背後にできるカルマン渦列という 交互に発生する渦の発生頻度が 流れの速さに比例していることを利用して流速を測る方法である。

物体の後流に交互に並んだ規則正しい渦列が発生する 現象は 1911年にテオドール・フォン・カルマンが初めて理論的に解明した。 この渦列は彼の名にちなみ、カルマン渦列と呼ばれている。 渦列が発生すると物体の両側面には交互に変動する圧力差が生じる。

図 3.85: カルマン渦列
\includegraphics{TgifFigs/karman-eddy.eps}
この現象を利用して、 渦流量計は図3.85のように配管内にカルマン渦を発生さ せる渦発生体(ブラフボディ)と渦を検出するセンサで構成される。 式(3.39)で示す ストローハル数$\mbox{St}$は広いレイノルズ数の範囲で一定であるので、 カルマン渦の発生する周波数$f$は、 流体の流れる速さ(流速$w$)に比例している。
\begin{displaymath}
\mbox{St} = \frac{fD}{w}
\end{displaymath} (3.39)

ここで、 $D $ は渦発生体の幅である。 ストローハル数は円柱では気体、液体問わず $500<\mbox{Re}<8000$ $\mbox{St}=0.21$でほぼ一定になる。 孤立島の下流でのReが$10^{10}$ほどの条件でも ほぼ同じ値になることが知られている。 ストローハル数が一定の範囲では、 図3.85のようにブラフボディの側面に 貫通穴を空けると その両端の圧力が渦発生によって周期的に変化し、 この穴内の流れは往復流になり、熱線流速計などや粘性型流速センサ を用いて穴内の流れの方向の変化(渦周波数)をデジタル的に 検出することによって式(3.39)により 配管内の流速を求めることができ、 その流速に配管の断面積を乗じることによって容積流量となる。

渦流量計の特長として

  1. 構造が簡単。機械的可動部がない。
  2. 測定範囲が広い
  3. 多くの流体(液体、気体、蒸気)に適用可能
  4. 比較的高精度で高安定
  5. 圧力損失が比較的小さい
  6. 検出量がデジタルであるので、周期をアナログで出すには計算が必要。
などが挙げる。しかし、
  1. 流速分布の影響を受けやすい。
  2. ポンプやファンの脈動があると計測誤差になる。
  3. 小流量に適用できない。
の欠点があるので注意が必要である。



Ken Kishimoto 2014-06-02