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サンプリング定理

ナイキストのサンプリング定理は、
信号中に存在する最大周波数が$f_{max}$である時、サンプリング周波数 $f_{sampl}$$2f_{max}$以上でデータを収集すればすべての信号の情報が収集 できる。

\begin{displaymath}
2f_{max} < f_{sampl}
\end{displaymath} (4.1)

である。 サンプルした波形の一例を示すと図4.13のようになる。 通常は波形再現性を向上させるため、$5f_{max}$くらいに オーバーサンプリングを行うことが多い。

図 4.13: サンプリング周波数と波形
 
この図にはオーバーサンプリングの原波形のデータを補間間引きして 低速サンプリングの状態を示している。 最大周波数と見なせる5kHz程度の信号が含まれているが、 サンプルした点を見ると 5kHz以下のサンプリングではアンダーサンプリングとなり、 細かい変動は失われている。特に、3kHz以下のサンプリングでは 原波形の形状は再現不能なほどに変形している。
図 4.14: エリアシングフィルター

これは、周波数分析の結果においても全く異なる。 アンダーサンプリングでは必要なピークは失われる。 3kHzでの周波数分析結果は、図4.15に 示すようにいくつかのピークは分離しておらず、 低周波に存在しないピークが表れている。 この図では見やすくするためそれぞれを5倍と1/4倍し、平滑化してある。 周波数分析結果を$P(f)$として、 真の波形のもつ周波数fの強さを$P_{real}$とすると、

\begin{displaymath}
P(f)=P_{real}(f)+P_{real}(2f_{sampl}-f)
\end{displaymath} (4.2)

という関係になり、サンプル周波数が小さいと虚偽の成分を重ね持つことになる。

図 4.15: サンプル波形の周波数成分
これは、Nyquist の折り返し現象とも言われサンプリング周波数よりも高周波側 の成分はサンプリング周波数の整数倍で折り返す現象である。これによる誤差を エリアシング誤差と言う。

しかし、通常、計測前の信号にどのような周波数成分が含まれているは不明な ことが多く、さらに最高周波数はノイズも含めて無限大である。つまり、かなり 高い周波数の成分も微小ながら含まれているのが普通である。これがエリアシン グ誤差になるので、AD変換のシステムではエイリアス誤差を除くため、サンプリ ング周波数の 1/2 以上の高周波成分をカットする LPF(Low frequency Pass through Filter)をバッファアンプの前後に入れる。このフィルターのことを アンチエイリアスフィルターという[15]。


Ken Kishimoto 平成19年3月18日