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誤差と統計

測定値の評価には統計モデルが用いられる。 このモデルは、正規分布、ロジスティック分布、ワイブル分布などがある。
偶発的な現象を含む現象が無作為的であると式(5.1)で表せ る正規分布となる。ここで μ は平均、σ2 は分散を表す。
\begin{displaymath}
f(x)=\frac{1}{\sqrt{2\pi}\sigma}\exp\left[-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}\right]
\end{displaymath} (5.1)

学生の成績判定には標準正規分布モデルから偏差値で評価されることがある。
しかし、 流行や成長のモデル、 チェスや将棋、囲碁の力の評価には 式(5.2)のロジスティック分布が使われることが多い。 β は分散に関係するパラメータである。
\begin{displaymath}
f(x)=\frac{1}{b\left(1+e^{(x-\mu)/b}\right)^2}\exp\left[-\frac{-(x-\mu)^m}{b}\right]
\end{displaymath} (5.2)

また、 安全性工学で 材料の破壊や損傷の統計的解析では式(5.3)のワイブル平均が用いられる。
\begin{displaymath}
f(x)=\frac{mx^{m-1}}{s}\exp\left(-\frac{-x^m}{s}\right)
\end{displaymath} (5.3)

ここで、 x は故障が起る時点、 m は形状パラメータ(形態母数ともいわれる)、 s は尺度パラメータ(尺度母数) である。
この他にも、誤差関数、レーリー分布、ガンマ分布、コーシー分布、ガンベル分 布などがある。この他にも多くあるが著者の範囲を越えるので専門の書籍に譲る。 また、 コンピュータのソフトとしての 統計パッケージ(SPSS,MiniTabなど)にも 多様なモデルについて解析ができる。
測定で統計を用いる理由は、 測定には必ず不慮の誤差が存在することを踏まえていることが理由であるが、 その誤差の性質によって誤差を産み出すモデルが異り、 誤差を表す関数が異なってくる。 測定値の算術平均は、モデルに依らずに同じであるが、 測定値の分散や歪み度は想定するモデルで異なってくるので、 モデルについての理解が必要である。


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Ken Kishimoto 平成19年3月18日