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レーザーレーダー

レーザーレーダーは、 ライダー(Light Detection and Ranging)とも呼ばれ、 レーザーを用いて遠隔のガス濃度やエアロゾル、黄砂、ちり、ガスを検出する技 術である。 レーザーメタンも同じ技術である。 またレーダーと同じ方法であるが、レーダーが長波長の電波を用いることに 対して、ライダーは短波長のレーザー光を用いる。 レーダーは波長が長いため、エアロゾルや気体分子といった微小な 粒子の測定には敵していない。しかし、 透過性が高いために遠距離測定に適している。 しかし、レーザーは コヒーレンシー(干渉性) のある単色光であるため、 遠くの対象物に照射して、対象物で散乱して戻ってくる非常に微弱な 散乱光を受信しやすく、分析して 様々な情報を得る方法で、リモートセンシング技術の一つとして発達して 来ている。

図 3.100: ライダーの構成
\includegraphics[scale=0.6]{Figs/lidar-sys}
3.100に示すようにライダー

ライダーには、利用する散乱現象などによって次のように分類できる。

  1. 後方散乱ライダー

    ミー散乱、レイリー散乱、ラマン散乱などが現象として用いられる。

    ミー散乱ライダーは 送信光の波長よりも大きな球形粒子からの散乱を利用する方 式であり、エアロゾル、雲、黄砂が対象になる。 レイリー散乱ライダーは、 送信光の波長と等しいもしくは小さいサイズの粒子を 対象とする。これらは気体分子が対象であり、分子密度や温度を測定す る。 ラマン散乱は 非弾性衝突であり、紫外線など短い送信光を用いて、分子 特有の波長を持つ散乱光を観測することで、空気中の二酸化炭素、窒素 酸化物、硫黄酸化物などを計測する。

  2. 共鳴散乱・共鳴蛍光ライダー

    分子の持つ共鳴波長、たとえば Na や K, Fe など流星起源の宇宙に存在 する金属原子のエネルギーレベルを上げる波長の送信光を用いて、これ らの存在を計測している。 蛍光ライダーはレーザー光を当てると励起された蛍光を多くの分子を対 象に用いられる。海中のクロロフィル濃度、油膜など航空機に搭載して 使用される。

  3. ドップラーライダー

    大気中を浮遊しているエアロゾルや塵を対象として、これらにレーザー 光を照射すると流れのためにドップラーシフトが起る。これを用いて 上空の風向き、風速の測定に用いられる。

  4. 差分吸収ライダー

    差分吸収ライダーは DIAL(differential absorption lider) と言われ 、衝突断面積が同じで吸収の異なる2つの波長を用いる。 この2つの波長の散乱強度比は、大気中の分子による吸収を表すので、 微量成分を検出することができる。

    地上では、大気汚染、工場排気ガス分析など、反射鏡をおいて受信光を 強化して計測することができる。



Ken Kishimoto 2014-06-02