next up previous contents index
Next: 量子化誤差 Up: ミニ計測システム Previous: AD変換   目次   索引


サンプリング定理

図 4.4: サンプリング周波数と波形
(A)原波形 (B) 10kHz (C) 5kHz
 
(D) 2 kHz (E) 1kHz  

ナイキストのサンプリング定理は、

信号中に存在する最大周波数が$f_{max}$である時、サンプリング周波数 $f_{sampl}$$2f_{max}$以上でデータを収集すればすべての信号の情報が収集 できる。

\begin{displaymath}
2f_{max} < f_{sampl}
\end{displaymath} (4.1)

である。 サンプルした波形の一例を示すと図4.4のようになる。 通常は波形再現性を向上させるため、$5f_{max}$くらいに オーバーサンプリングを行うことが多い。

図 4.5: エリアシングフィルター
この図にはオーバーサンプリングの原波形のデータを補間間引きして 低速サンプリングの状態を示している。 最大周波数と見なせる5kHz程度の信号が含まれているが、 サンプルした点を見ると 5kHz以下のサンプリングではアンダーサンプリングとなり、 細かい変動は失われている。特に、3kHz以下のサンプリングでは 原波形の形状は再現不能なほどに変形している。

これは、周波数分析の結果においても全く異なる。 アンダーサンプリングでは必要なピークは失われる。 3kHzでの周波数分析結果は、図4.6に 示すようにいくつかのピークは分離しておらず、 低周波に存在しないピークが表れている。 この図では見やすくするためそれぞれを5倍と1/4倍し、平滑化してある。 周波数分析結果を$P(f)$として、 真の波形のもつ周波数$f$の強さを$P_{real}$とすると、

\begin{displaymath}
P(f)=P_{real}(f)+P_{real}(2f_{sampl}-f)
\end{displaymath} (4.2)

という関係になり、サンプル周波数が小さいと虚偽の成分を重ね持つことになる。 これをエリアシングゴーストという。
図 4.6: サンプル波形の周波数成分

これは、Nyquist の折り返し現象とも言われサンプリング周波数よりも高周波側 の成分はサンプリング周波数の整数倍で折り返す現象である。これによる誤差を エリアシング誤差と言う。

しかし、通常、計測前の信号にどのような周波数成分が含まれているは不明な ことが多く、さらに最高周波数はノイズも含めて無限大である。つまり、かなり 高い周波数の成分も微小ながら含まれているのが普通である。これがエリアシン グ誤差になるので、 AD変換のシステムではエイリアス誤差を除くため、 図4.5のように サンプリング周波数の 1/2 以上の高周波成分をカットする LPF(Low frequency Pass through Filter)をバッファアンプの前後に入れる。 このフィルターのことをアンチエイリアスフィルター という[24]。


next up previous contents index
Next: 量子化誤差 Up: ミニ計測システム Previous: AD変換   目次   索引
Ken Kishimoto 2014-06-02