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サンプルホールド

逐次変換方式など数ステップでのAD変換では AD変換中はミスコードしないために AD変換器への入力信号が一定でなければならないという制約がある。 このため 高周波成分を含む入力信号が 1/2bit 変化する時間よりも 短い時間に変換を終了するような高速な変換器を用いるか もしくは アナログ信号を変換中にホールドする必要がある。 通常 オーバスペックのAD変換器を用いず信号をホールドするために S&Hを付けることが多い。

図 4.8: サンプル& ホールド

このS&Hの様子を図4.8に示す。 高速なサンプル(短いセトリング時間)を行うためには ホールドコンデンサは小容量のもので アナログスイッチには低on抵抗のもの(100程度)を必要とする。 ホールドコンデンサの容量は、 AD変換を$n_{bit}$とすると1/2ビット内に サンプル値に到達する時間 $0.69(n_{bit}+1)R_{on}C$は サンプルサイクル時間$\tau_{sampl}$より小さくなくてはならない。 $R_{on}$が200とすると 12ビット変換器で50$\mu$sのものを用いると $C<\tau_{sampl}/\{0.69(n_{bit}+1)R_{on}C\}=0.03\mu$Fという計算 となる。

また、 小容量Cではホールド時にコンデンサからの漏れ電流に対する 電圧変動(ドループ)が大きくなる。漏れ電流を5$\mu$Aとすると変換時間20$\mu$sで、 0.03$\mu$Fのコンデンサでは変換時間中に 3mV 変化する。この値は12ビット変 換器の1ビット幅よりも大きくなるため、漏れ電流を2$\mu$Aと1/2ビット幅程度 とすると10V回路では5Mの絶縁抵抗を必要とすることになり、 プリント基板ではなく、テフロンポストなどを用いたホールドコンデンサが必要 になる。

また,ホールド時の入力に対する変動(フィードスルー)を最小にするため,アナ ログスイッチの off 抵抗値は十分大きなもの、さらにチャンネル間のクロストー クを小さなマルチプレクサを選択する必要がある。

S&H回路はICパッケージとして市販されており、MAXIM(MAX333), AnalogDevice(AD585,AD781,AD684など)などがある。



Ken Kishimoto 2014-06-02