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畳み込み積分 convolution


\begin{wrapfigure}[10]{r}{0.50\textwidth}
\begin{center}
\includegraphics{Figs/...
...lution}
\mfcaption{畳み込み関数の考え方}
\end{center}\end{wrapfigure}
畳み込み積分 は、Laplace 変換の積であるが工学上では頻繁に用いられる重要な 数学である。畳み込み積分は
\begin{displaymath}
f(t)*g(t)=\int^t_0f(t-\tau)g(\tau)d\tau
\end{displaymath} (5.14)

で表される。これは、
\begin{displaymath}
{\cal L}\{f(t)\}{\cal L}\{g(t)\}
={\cal L}\left\{\int^t_0f(t-\tau)g(\tau)d\tau\right\}
\end{displaymath} (5.15)

であり、交換法則の成り立つ演算である。この大切な応用は、ある系の単位ステッ プ応答が既知であるならば、一般的な入力に対する応答を決定することができる と言うことである。この概念は伝達関数やインデンシャルアドミッタンスの概念 を必要とする。

通常、計測に使用される装置は、光や熱などの被測定信号を処理可能な形態(電 圧や電流)とレベルに変換する。この時に、ノイズが混入したり周波数特性の変 化がある。 この被測定信号$f(t)$と処理可能な計測信号$y(t)$の間を、

\begin{displaymath}
{\cal L}\{y(t)\}=G(s){\cal L}\{f(t)+n(t)\}
\end{displaymath} (5.16)

で表す。 式(5.14)はこの式の時間空間上での表現である。

計測では目的とするものは被測定信号であるので、

\begin{displaymath}
{\cal L}\{f(t)\}=G^{-1}(s){\cal L}\{y(t)\}-{\cal L}\{n(t)\}
\end{displaymath} (5.17)

の演算を行う必要がある。この操作をデコンボリューション deconvolution という。計測データにこの操作を施す目的は装置やラインによっ て歪んだ計測波形を修正するために用いられる。 しかし、 実際に計測データにデコンボリュー ションを施すのは難しい技術になる。

この演算の1つに相関関数がある。$f(t)*f(t)$$f$の自己相関関数、 $f(t)*g(t)$を関数$f$$g$の相互相関関数と言う。



Ken Kishimoto 2014-06-02