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焦電型赤外センサー

強誘電体(PZT:チタン酸ジルコン酸鉛)や 半導体(LT:LiTaO3タンタル酸リチウム,LN:ニオブ酸リチウム)などの 誘電率の大きな結晶体や粉末、 強誘電率樹脂(PVDF:ポリ弗化ポリビニリデン)の温度変化によって 電荷を生じる 焦電効果 (パイロ電子効果) を利用しているセンサーである。 メーカとして 2005年現在では、NIPPON CERAMIC[1] から入手できる。
図 3.14: 焦電効果の原理

焦電効果(パイロ電子効果)は、 結晶を加熱したり冷却すると電気分極する現象であり、 天然の結晶としては珪酸塩鉱物の トルマリン(電気石)が有名である。 この効果は図3.14に示すように 温度変化があると自発分極を起こし、 温度変化がないと分極は中和する。 この分極を起こすと素子の両端につけた電極に電流が流れる。 パイロ効果を利用して、 物体からの赤外線を検知することで非接触で温度を測定するために使用される。 多くの焦電型赤外センサーの波長感度は窓材で決まるが、 $5\sim 14\mu$m であり、 分極から中和までの緩和時間は素子の大きさで決まり、 0.1Hz〜10,0Hz 程度であり、時間の長いほうに感度は大きい。

この分極による電荷は温度(赤外線の光量)変化によるため、 強誘電体(上記のほか、TiBA:チタン酸バリウム BaTiO3、 TGS:硫酸グリシン (NH2CH2COOH)3H2SO4、 ゲルマニウム酸鉛 Pb5Ge3O11など)の 結晶の薄板に 原理図3.14に示すように、 熱エネルギーの変化に対して出力する原理であるので、 図3.15-(B) のような 光をチョッパーで断続的に遮断すると、 交番する電気分極現象が現れる。 静止した対象物の放射温度を測定する場合には 機械的なチョッパーが必要であるが、 人などの移動物を検知する方法として 図3.15-(C) のような センサの前にムラを持つフレネルレンズなどを設置して 移動物からの放射を断続させて測定する方法が利用される。

これでセンサーからの信号出力を交流として得ることができる。 交流で利用するため、 チョッパーの周波数安定性に依存する欠点を持つが、 一方、ノイズの影響を受けにくく高感度である。 波長 5〜14μm の長波長赤外線に強い感度を持つものが多く、 人体のセンサやモーターの微小オーバーヒートの検出に使用される。

図 3.15: 焦電効果とセンサ

代表的なセンサでは、 受光面積 1〜4 mm2、 波長範囲 5〜15 μm、 感度 2000〜7000 V/W、 比検出率 1.0〜2.0 x 108cm$\sqrt{\mbox{Hz}}$/W、 雑音出力 60〜150 mVp-p、 動作電圧 2.2〜15 V、 信号出力 2.5〜7.5 Vp-p形式 シングル〜クワッド、補償型があり、 光学特性を決めるために、フィルターとしてシリコン、 炎検知 4.3μmバンド、 人体検知 5.0μmバンド、 セキュリティ 6.5μmバンド などがある。



Ken Kishimoto 平成19年3月18日