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計測とは

狭い意味での計測は、被計測量を数値的に計測することを意味するが、広く捉え ると観測や観察も含まれる。 工学的な計測をする時、単に数値的な計測のみでは計測対象の物理的な意義を見 失う恐れがある。観察によって現象を理解することが重要となる。 この時の計測と観測は次のようになる。

図 1.1: 計測システム
\includegraphics{Figs/measystem1.eps}

実験において最初に計測対象を見るのは人間である。 実際にそのものを見なくても経験から想定することはあっても元はといえば五感 を通して計測対象を観察することになる。そして、計測対象の出す信号の大きさ と性質を概略ながら判断することになる。 この時、人は 視覚(色、明度、彩度、形状、動き)・ 聴覚(圧力、衝撃)・ 臭覚/嗅覚(化学成分)・ 味覚(化学成分、酸塩基性、糖度)・ 触覚(温度、比熱、材質)などの観察以外に、 現象の物理的な理解を試みるため物理モデルを頭の中にイメージし、 論理的に説明しようとする。

この計測対象を簡単な思考モデルだけで説明することはできない。 たとえ説明できたとしても、 思考モデルだけでは 科学的な計測とはいえないのでそのモデルや説明の普遍性を保証することができ ない。 この表現の基礎となるのは明確に定義された尺度に基づいていなければならない。 そこで、測定対象とする物理量を数値的に計測し、想定したモデルを検証するた めのデータ処理を施し適当なグラフや表にして説明をする。

計測システム論はこの全般を扱うことになるが、ここでは特に「観測」に力点を おいて、電子信号で得られたデータの評価方法と処理方法に限ることにする。

上の図での計測対象には、 基本物理量として長さ、質量、温度、濃度、時間、電 磁気などがある。さらにこれらを組み合わせて、

位置、速度、加速度、応力、圧力、歪み、エネルギ、電子、光、音
などであるが、位置測定のように直接測定できるものは少ない。多くの場合、何 らかの簡単な原理や法則を元にして、対象となる物理量を別の計測しやすい物理 量に変換し、加えてセンサー(エネルギ変換器)を用いて、電流や電圧に変換して 計測する。現在ではこの計測はほとんどデジタル化しており、計算によるデータ 処理を容易にするため、信号の整形を行った後、Analog/Digital 変換器を用い てコンピュータに取り込むことになる。

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Ken Kishimoto 2014-06-02