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放射型センサー

波長15$\mu$mまでの長波長光である赤外線を利用した放射温度計は 表3.6のような特徴を持っている。


表 3.6: 熱放射を利用した温度計の種類と特徴[19]
分 類 使用範囲 K 波長範囲 $\mu$m 特        徴
  シリコン放射温度計 300〜3500 0.2〜1.1 光起電力形。応答性及び安定性良好。比較的安価。 精密測定、標準用にも使 われている。
  ゲルマニウム放射温度計 250〜1500 0.3〜1.8
  PbS放射温度計 50〜1200 0.3〜3.3
  InGaAs/GaAs PIN 放射温度計 200〜1200 0.5〜2.5
  InSb放射温度計 40〜1000 1〜5.5
  HgCdTe(MCT)放射温度計 -20〜1000 2$\sim$20 の中の一部,各種
  サーモバイル放射温度計 200〜1500 0.5〜20
  焦電形放射温度計 -50〜1000
  サーミスタボロメータ -50〜1000
  2色放射温度計 180〜3000
  光高温計 700〜3500
  機械走査形放射温度計 -20〜1000
  電子走査形放射温度計

工業用温度測定センサについては、 温度測定の目的に対応して温度計を正しく使用選定することが重要であるとして いる[19]。 また、同一文献にある 表3.7では一般的に遵守すべき基本的事項を示してい る。


表 3.7: 測定対象によって考慮すべき誤差要因と対処法
測定対象 誤差要因 対処法
    検出器取付による熱の流出入 保護管、導線からの熱の流出入を減らす。
  平均温度 温度検出器と同体の熱接触
  表面温度 検出器取付による熱的状態の変化
  温度変化 検出器の応答
  高  温 迷光による影響
    検出器取付による熱の流出入
  平均温度
  温度変化
  検出器の熱容量
   
  平均温度 気体内の温度分布

% latex2html id marker 14561 $\textstyle \parbox{40mm}{
\includegraphics[scale...
...{Figs/radiation-reflection.eps}
\caption{放射面のエネルギー収支}
}$         % latex2html id marker 14562 $\textstyle \parbox{80mm}{
\includegraphics[scale=0.6]{prog/radiat/radiat.eps}
\caption{放射温度計の誤差}
}$

光を用いて、固体の温度を測定する場合、 固体の表面の状態によって、温度が異なって測定される。 測定物体の表面からは、 その測定物体の熱放射と測定物体表面での反射光の両方 測定している。 放射温度計に入る熱流束$q$は、

\begin{displaymath}
q = \sigma \varepsilon T_w^4 + \sigma r T_a^4
\end{displaymath} (3.17)

で、$\varepsilon$は測定物体の放射率、 $r$は反射率である。 $r=1-\varepsilon$という関係があるので、

\begin{displaymath}
q = \sigma \varepsilon T_w^4 + \sigma(1-\varepsilon) T_a^4
...
...c{T_a}{T_w}\right)^4
\right\}T_w^4
=\sigma\varepsilon^{*}T_w^4
\end{displaymath}

であるので、 図3.17のように 表面の放射率 の低いほど、 周囲と物体の温度の差が大きいほど 見かけの放射率は物体の放射率に近づくので、 測定物体の放射率を正確に知る必要がある. このため、物体の表面につや消し黒色塗料 や 低反射黒体塗料を塗って $\varepsilon = 0.92\sim 0.96$にすることができ、 反射の影響を低減できる。
図 3.18: 電気良導体と電気不良導体の放射率変化
\includegraphics[scale=0.7]{Figs/radiate-surface.eps}

金属や非金属での放射率$\varepsilon$は図3.18に示すように 金属研磨表面では、比抵抗の関数であり[18]一般に 温度とともに大きくなる。 酸化物やセラミックスのように電気不良導体であると、 大きな放射率を持つ。 図3.18は波長全体について放射エネルギー平均をした 放射率であるので、物質によっては 選択波長放射率を示すことも多い。


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Ken Kishimoto 2014-06-02