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2色高温計

熱放射がプランクの法則に従うものと仮定して、 2種類の波長の光強度比を以って 温度を測定する方法である。

プランクの法則は単色光エネルギーは波長を$\lambda$,温度を$T$として

\begin{displaymath}
E_{\lambda b}(\lambda,T)=\frac{2C_1}{\lambda^5\{\exp (C_2/\lambda T) -1\}}
\end{displaymath} (3.18)

に従う。2つの波長で測定したそれぞれの光強度を $I_1=K_1\varepsilon_1E_{\lambda B}(\lambda_1,T)$ $I_2=K_2\varepsilon_2E_{\lambda B}(\lambda_2,T)$ とする。 $K_1, K_2$ は観測窓やフィルターレンズの透過率、 $\varepsilon_1, \varepsilon_2$ はそれぞれの波長の放射率である。 装置係数を $\kappa=K_1/K_2 $として、 $\lambda_1\approx\lambda_2$であるために $\varepsilon_1=\varepsilon_2$という仮定をして
\begin{displaymath}
\frac{I_1}{I_2}=\kappa\left(\frac{\lambda_1}{\lambda_2}\righ...
...
\frac{\exp(C_2/\lambda_1 T) - 1}{\exp(C
_2/\lambda_2 T) - 1}
\end{displaymath} (3.19)

とすることができる。 放射率の見積もり誤差が そのまま温度計測の誤差となる放射温度計の欠点を、 放射率を消去することで改善できる方法であり、 2つの光強度から温度$T$を算出することができる。

この方法は、$\lambda_1$$\lambda_2$の決め方が精度に影響する。 $\lambda_1$$\lambda_2$の差が大きいときは$I_1$$I_2$の差が大きく 式(3.19)は$I_1$$I_2$の測定誤差が $T$の計算に対する誤差として影響する度合いが小さくなるが、 $\varepsilon_1=\varepsilon_2$という仮定が成立しないので、注意を要する。 $\lambda_1$$\lambda_2$の差が小さいときは $\varepsilon_1=\varepsilon_2$という仮定がほぼ成立する ために、式(3.19)は精度を持ってくるが、 この式で$I_1$$I_2$の測定誤差が計算する温度$T$に対する影響が 大きくなり正しい答えを求めることができない。

この二色光高温計は、 $\lambda_1=750\mbox{nm}, \lambda_2=1000\mbox{nm}$位を選び、 特別な発光や吸収スペクトルのない 対象物に対しては有効に使用することができる。


Ken Kishimoto 2014-06-02