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ノズル温度計

あまり使用されないが、図3.25のような形のものもある。 細孔を通過する気体の流量が上下流の圧力 $P_1$, $P_2$ と 気体の温度の関数であることを利用した温度計である。 図3.25(a) は 外部を特殊なセラミックスもしくは耐熱金属の保護管で囲んだもので、 オリフィスを流れるガスは被測定対象ではない。 しかし、保護管の外側と十分な熱交換を行いオリフィスを流れるときには 外部と同じ温度もしくは熱平衡に達しているガスの温度を測定するものである。 保護管の外部の流体が粒子を含んだり、 熱電対など金属が使えないほど 雰囲気の腐食性の強い場合には このような形状を取る。

図 3.25: ノズル温度計の例
\includegraphics[scale=0.7]{TgifFigs/TCmethod04.eps}

一方、 図3.25(b)の方はアークプラズマ中のガス温度のように熱電対で温度を測定でき ないほどの高温の場合の測定方法となる。

オリフィスにおいてガスの質量流量は、 比熱比:$\gamma$、 密度:$\rho_1$、 ガス定数:$R$、 ガス温度:$T_1$ として

\begin{displaymath}
\dot{m} = a \rho_1\sqrt{\frac{2\gamma RT_1}{\gamma-1}
\lef...
...frac{P_2}{P_1}\right)^{(\gamma+1)/\gamma}
\right\}
+\beta
}
\end{displaymath} (3.21)

で表される。$a$はオリフィスの面積、 $\beta$ $
\beta = w_1\left(P_2/P_1\right)^{2/\gamma}
$ で表せる近づき速度の補正値であるので、流量 $m$ と2つの圧力 $P_1, P_2$ を測れば、温度を求めることができるという原理に基づいており、 熱力学的温度を測定することになる。

気体の温度が非常に高くなると、 気体はH,O,OHなどの分子に解離($T_g > 3000$K)したり、 電子がたたき出されて プラズマ状態に電離($T_g > 4500$K) すると、 平衡状態ではなくなる。 そのため、分子には 並進温度、回転温度、 振動温度などエネルギーが分配される自由度ごとに 別々の温度を持つことになる。 光学的温度は熱力学的温度と異なることを意味する。


Ken Kishimoto 2014-06-02