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半導体の光による効果

2種類の半導体(P,N)を接合するとダイオードといわれるが, この接合面に光を当て,エネルギーギャップを見かけ上、小さくして, 短波長の光は 高エネルギー光であるのでこの効果を起こしやすいが, 低エネルギーの長波長の光を検知するため, エネルギーギャップや 光仕事関数を小さくして 効率良く計測する試みがなされている。 表3.8に主な材料の仕事関数を示す。 しかし, せいぜい3μm程度であり,まだまだ遠赤外の検出は十分ではない。 遠赤外の検出についてはサーモパイルの項(3.1.1)を参照のこと。

図 3.30: フォトダイオードの種類
\includegraphics[scale=0.9]{TgifFigs/PhotoDiode.eps}

図 3.31: フォトダイオードの原理
\includegraphics{TgifFigs/Photo-Dbas.eps}

3.31のように このPN接合を用いた光検出センサを フォトダイオードという。 ダイオードに 逆バイアス (流れない方向に印加する電圧のこと)をかけると, 正孔と電子はそれぞれの極に集まり, 真中に伝導電子の少なくなる空乏層が発生し,電流は流れなくなる。 この空乏層近辺に 光を当てると,電子は伝導帯に励起されて,価電子帯に正孔が残る。 この正孔と電子の対をキャリアという。

電子は伝導帯の中で空乏層で加速され, PからNへのエネルギーレベルの低い方(正極)に流れ, 正孔は NからPへ流れる。 これが光起電力であり, ダイオードの両極を結線すると電流が流れる。 これが光電流である。

図 3.32: 材質による波長特性
\includegraphics{TgifFigs/DiodeSense.eps}

材質では 図3.32に示すように波長感度が変わる。 また,図3.30のように 目的に合わせた構造が開発され,表3.7のようになっている。 PN 拡散型は,一般的な光ダイオードであり,PN接合部分をSiO2などで覆い, ゼロバイアス で使用して, 暗電流を低く押える方法をとると 同時に微弱光の検出出力を光強度に線形に計測する方法がとられる。 暗電流はゼロバイアスでは熱雑音( $\sqrt{4kTB/R_{sh}}$, k:ボルツマン定数, B :雑音帯域,T :温度,$R_{sh}$:並列内部抵抗 $10^7\sim 10^{11}\Omega$)程度 であり,極めて小さな値となる。



表 3.7: フォトダイオードの種類
種類 使用主目的 性質
PN 拡散型 光量測定 暗電流小,低速
PIN 型 高速計測 暗電流大,高速
ショットキー 短波長計測  
アバラッシュ 高速通信 微弱光計測,超高速


一方,高速応答性を得るためには, 禁止帯の電子の加速を大きくする必要があり, 大きなバイアスをかける。 すると雑音はショット雑音($\sqrt{2eIB},e$:電子電荷, I:光電流+暗電流)となり, バイアスに対応して大きくなる3.3

PN接合間にI層という空乏(抵抗)層を入れて, 接合容量を小さくし,この層内でのキャリアの高速移動を行わせる構造とした ものに PIN型がある。 図3.30のように P層の代りに金メッキなどを使用して, 空乏層極めて薄く作るショットキー型にすると 短波長の感度の高いセンサとなる。

図 3.33: フォトダイオードのドライブ
\includegraphics[scale=0.8]{TgifFigs/PhotoDio-M.eps}

アバランシュ型では逆に大きな空乏層を用意して, この空乏層に強電界をかけると,キャリア電子は このI層で大きなエネルギーを与えられて空乏層中の原子と衝突して 電子をたたき出し, 電子なだれ現象 (タウンゼント効果)により光電流増幅効果を得る。 そのため極めて高速で大きな電流を得ることができる。

暗電流の大きさで使用方法が変わり,光量を計測するためにはこの暗電流を低く 押えるため,ゼロバイアスでドライブし,デジタル通信などでは,高速性を重視 するため高バイアスでドライブする。 このドライブ回路の原理図を図3.33に示す。


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Ken Kishimoto 平成19年3月18日