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光導電素子

受光センサのうち, 光電効果を用いたセンサを分類すると 図3.37のように分けることができる。 他に,光の干渉,回折,ドップラー効果,誘導放出(発光), 光化学変化を用いた計測方法もある。

光電効果を用いた 単一の受光センサは,光によって電気抵抗を変化するもの( 光導電素子), 半導体の光効果によって起電力を生じるもの (光起電力素子), 光によって固体表面から電子を放出するもの (光電子放出)がある。

光導電効果は すべての金属や絶縁体にが持つ普遍的な性質であり, 1870年代にセレンによって見出されたものである。 1930年ころから研究が進み,現在では検出器として 近紫外から可視では CdS, CdSe, 可視では Si, 近赤外では PbSe, PbTe, InSb, 遠赤外では Ge をベースにした材質が用いられる。

この効果は, 通常は 低光エネルギーレベルの価電子帯にあり電気伝導に寄与しない電子に 光エネルギー $h\nu$ を照射すると, 電子は禁止帯と呼ばれるエネルギーギャップを越えて 高エネルギーにある伝導帯に励起されて, 伝導電子となり,電気抵抗を減じる。 これが光導電効果である。

図 3.42: CdS の特性
\includegraphics[scale=0.7]{Figs/CdS.eps}

CdSセルは、硫化カドミウムを主成分とした光導電素子で、 一般にCdSe(カドミウムセレン)セルを含めてCdSセルと総称されている。

特徴は、可視光線(0.4$\mu\sim$0.8$\mu$m)に対して 高感度で小型で、安価という特徴を持つ。 しかし、電気伝導度と光量の直線性の範囲が狭く、 応答性があまり良くない。 そのため、ゆるやかな照度変化の検出に限定される。 CdSセルは光導電面の製作方法から 大別して単結晶形、焼結形、蒸着形などあるが、 現在は高感度で大面積のものが得られやすい焼結形のものが 最も多く使用されている。 街路灯の自動点滅器、カメラの露出計、照明器具などの明るさ を測定する照度測定器などの利用例がある。

しかし、Cdが環境に有害な金属物質であることがわかったため、 インスタントカメラの測光素子として広く使われていた 一部の分野では他の素子に取って代わられつつある。


PbS, PbSe は硫化鉛、鉛セレンを主成分とした光導電素子である。 CdS と異なり赤外に感度をもつ。 PbS は 1.0$\sim$3.3$\mu$m、 PbSe は 1.5$\sim$5.2$\mu$m である。

また、半導体であり、 光起電力素子でもある InSb も3.5$\mu\sim$6$\mu$m で使われる。 無冷却で使用することもできるが 冷却することで感度をあげることができるので、 電子冷却や液体冷却、スターリング冷却とあわせて利用される。 遠赤外センサや人体センサとして用いられる MCT(HgCdTe) は水銀、カドミウム、テルルの3元配合組成を変えることで 25$\mu$m までの赤外線検知ができ、人体センサに使える。 これも 無冷却で使用することもできるが 冷却器と組み合わされているものが多い。



Ken Kishimoto 2014-06-02