社会インフラの日本型安全システムが世界に通じない!! 

原発も新幹線も、日本の安全神話が通じない!

環動車(感動者)の会 2011.05.14
世話人 斎藤 俊彦


登場人物(参加者代表) 

  1.  Mr.チェアマン  
  2.  Mr.グローバル 
  3.  Mr.ドメスティック 
  4.  Mr.コメンテータ 
  5.  Mr.オーディエンス 

事例1:スイス氷河特急脱線転覆事故の対処 

●原因究明を開始する前、しかも事故発生後2日目から運転再開。 

★しかるべき認証手順を踏んだシステムが、予見し得ないアクシデントに見舞われたものとして、原因究明を継続しながら、社会システムを止めないようにする。 

事例2:JR西日本電車脱線転覆事故の対処 

●基本は先ずシステムを止めて、原因究明を開始。 

★原因究明結果を基に是正して、当局がOKを出せば運転を再開。 
★さらに、犯人探しと謝罪で幕を閉じる(勿論刑事、民事訴訟、保障等の問題は継続して存在する)。 

「Mr.チェアマン」 

●2例は、いずれも死者を出す大事故であるが、対処の仕方は全く異なって いる。社会インフラに対する“安全”の捕え方、価値判断が異なっており、根源 的な問題と言える。世界の潮流は欧州スタイルに向かっている(グローバルスタ ンダード)。
  1. どちらが合理的か?
  2. どちらが被害者にとって受容できるか?
  3. 社会全体の損失を考えた場合、どちらが受容できるか?
  4. そもそもどちらが安全か? 

「Mr.ドメスティック」 

●元々機器やシステム、サービス等の提供者は、事故が起こらないような安全策を講じている。それでも事故が起こるのは、ミスか予見し得ない事象である。日本ではこの分離が出来ていないので、何か事故が発生すると、先ず有識者を集めて事故調査委員会なるものを立ち上げる。 

★徹底究明のスタンスが基本である。   

「Mr.ドメスティック(2)」 

●大事故が起こった場合、被害者の立場からは事故原因を知る事と、二度とこのような事故を起こして欲しくないとの要請が強い。従ってこれに答えるには犯人探しと、誓いの謝罪が必要となる訳である。 

★犯人探しは事故を起こした会社から、そこに納入した部品メーカー、下請け等にまで遡って行く(保険会社も加わっての犯人探しに発展する場合もある)。   

「Mr.ドメスティック(3)」 

●一般国民感情として、会社利益優先の隠蔽体質と言った不信感がぬぐえず、経済合理性や公共性の高い社会インフラの重要性を勘案すれば、欧州スタイルのほうが社会損失の少ないことは分かっているのだが、人命を考えると今一歩踏み切れないところがある(ビジネスライクに割り切れない、日本人の人情味溢れる国民性かもしれない)。    

「Mr.グローバル」 

●氷河特急の場合、車両、レール、信号機、人事管理等を含めた運行システムと言った鉄道を安全に運行できることが、しかるべき欧州の認証機構によってお墨付きをもらっている。従って何らかのミスに起因するもの以外は、現在知り得る最高水準の技術情報、知識、知見によっても予見し得ない事象、すなわちアクシデントが起こった場合は責任の所在はないことになる!(後は保険会社による対応)   

「Mr.グローバル(2)」 

●例えば運転士の労務管理上に起因する運転ミスによるものであったとすれば会社の責任であり、管理システムに問題があったわけである。いかなる場合でも個人攻撃の犯人探しに時間を費やすよりも、運転再開を優先するのである。勿論事故原因究明は同時併行的に行われて、新しい知見として認証要件に付加される。   

「Mr.コメンテータ」 

●安全構築思考の違いをもたらすと考えられる、根源的な要因をアバウトな言葉 で挙げてみると 
◎欧米:多民族・多言語社会、狩猟民族、契約・マニュアル社会、
 キリスト教社会、合理性優先、精神哲学包含
◎日本:単一民族、農耕民族、阿吽の呼吸社会、よろず神社会、非合理性共存 

★文化的、歴史的、人命に対する考え方、価値観等が、“安全”対処の違いに反映   

「Mr.チェアマン」 

●日本の物作り技術は世界最高水準!  中東の原発は韓国に、ベトナムの原発もロシアに受注が決まり、開業以来無事故を誇る日本の新幹線技術すらも、欧州や韓国、中国勢との受注合戦に苦戦しているのは何故か? 日本の“安全神話”の成り立ちを、世界の潮流に照らして構築し直す必要がありそう。   

「Mr.ドメスティック」 

●日本の安全システムは、
  1. 部品レベルでも高度な製造技術、生産技術に裏打ちされたものを提供 
  2. 法定安全率を凌駕する設計技術を提供 
  3. 高度な制御技術を駆使 
  4. オペレーターからメンテナンス・サービスマンに至るまでの、徹底し た安全教育、研修、トレーニングを提供 
  5. トラブル発生時はシステムを止めて安全確保の原因究明(究明・是正後に再運転) 

「Mr.グローバル」 

●受注組、例えば韓国勢は、 

「Mr.グローバル(2)」 

●新幹線技術も同様で、日本のようにおしなべて教育レベルや習熟スキルの比較的平均化された環境にないところには、安全確保を人間の安全教育等に頼ることは出来ない。しかも何かトラブルが発生したときには、システムを止めるから安全であると言うフィロソフィは、国家として重要な社会インフラの要をなさない!! → 止まるものは始めから提案するなの発想!! 

「Mr.グローバル(2)」 

●新幹線技術も同様で、日本のようにおしなべて教育レベルや習熟スキルの比較的平均化された環境にないところには、安全確保を人間の安全教育等に頼ることは出来ない。しかも何かトラブルが発生したときには、システムを止めるから安全であると言うフィロソフィは、国家として重要な社会インフラの要をなさない!! → 止まるものは始めから提案するなの発想!! 

「Mr.オーディエンス」 

●安全には“本質安全”と言う概念がある。例えば踏み切りを立体交差にすれは衝突事故は起こらない。 ●実は車の本質的な安全ブレーキランプ点灯を実現するならば、逆の発想でなければならない。常時赤いテールランプが点灯していて、ブレーキぺダルを踏んだ時だけランプが消える。ランプが故障のときも点灯しないのだから追突は起こらず、これこそが本質安全システムである。 

「Mr.オーディエンス(2)」 

●欧米の火災検知器はこの方式である。日本は検査に来たときだけ、正常に作動していることを保障しているに過ぎない。 

★以上を鑑み、本質安全システムの積み重ねでは安全を担保できないのであろうか? 勿論経済的に成り立たない部分は人間の行動に頼ることになるのであろうが・・・。 

「Mr.コメンテータ」 

●本質安全の議論を突き詰めていくと、例えば車のアクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違い事故も、究極的に車犯人説に陥ってしまう。 

★事故を何らかのミスと、アクシデントに明確に区分して対応を考えるのが欧米スタイルであり、この両者を同次元で考えて対処するのが日本スタイルである。前者は日本人にとって一面クールな仕組みに思えるが、これが潮流である!! 

「Mr.コメンテータ(2)」 

●別な観点から見てみよう。実は欧米システムも日本システムも事故率は殆ど変わらないのである。と言うことは、 ◎可能な限り人間のスキルに依存しない社会インフラのシステムの方が金は掛かる!! しかし徹底した安全教育やトレーニンフと言う人間のスキルに依存する方式は、レベルがまちまちの多民族国家、グローバル対応には馴染まないと言うことなのであろう。 

「Mr.コメンテータ(3)」 

◎更に重大事故は人間のスキルに依存するシステムのほうが起き易い(ベテランの慣れやうっかりミス、思い込み、一瞬のポカ等)。 

★翻って最初の氷河特急再運転を考えてみよう。事故原因はこれこれ考えられるが、他に交通手段もなく社会生活に重大な影響を及ぼすので、先ずはスピードを落として走らせよう。の思考が先行する。 

「Mr.コメンテータ(4)」 

◎これは正常化を望む皆から支持されるから、万が一、又事故が起きた場合でも、運転再開の責任は問われることがない社会システムのフィロソフィ、構造に基盤を置いたものと考えられよう。これは決してキリスト教基盤の社会も人命を尊ぶ精神は日本人と同じであるが、社会生活のマジョリティ、合理性(様々な損失の最小化やグレーゾーンの排除思考)に基づくものであろう。 

「Mr.オーディエンス」 

●最も安全な状態は、エネルギー供給“ゼロ”、パワー“ゼロ”での休止状態(電源やスイッチ,エネルギ供給系統の遮断)と考えられるが、極端なケースとして航空機の安全はどのように捕らえればよいのであろうか?? 離陸時、着陸時を含めて地上を離れるのが使命であるが・・・・。 

「Mr.コメンテータ」 

●航空機の場合は“遮断”が即大事故に繋がる。 

「Mr.コメンテータ(2)」 

●大胆な提言であるが、 

「Mr.オーディエンス」 

★コースターはドイツ製と聞く。ドイツでも安全バーがロックされていなくても動くのか?  

「Mr.コメンテータ」 

●輸入元が日本の安全基準に合わせた可能性はある(遊園地の乗り物は国交省管轄!)。ドイツで安全ロックが外れても作動する機器は安全認証の取得は出来ない。経費的な見地から高額な安全認証機器を避けて導入したとも考えられるが定かではない。比較的同質で、阿吽の呼吸社会の我が国の安全教育に依存する安全確認の怖さである(多民族・、移民の国では最低限のマニュアルのみ必須)。

「Mr.チェアマン」 

●安全に関して各レベル、段階での厳しい認証を受けて構築された社会インフラの事故に対して、可能な限り止めない安全検証、安全再構築が求められている。 

★このままだと原発や新幹線に止まらず、日本の高度技術の安全神話もガラパゴス化になりかねない!! 

★あなたはどのように考えますか?? 

スイスの関係者は事故に対する予防措置は万全と思っているらしい?。わずか 一週間後に制限速度35km/hのところを56km/h で走ったのが原因。気象条件は安 全側、線路や車体に問題無しと説明。よって、速度制限を守れば再発しないと いう考え!。
社会システムこそ守るべきもの?人命は二の次?
この運転手の刑事責任は?

日本は犯人を作るという社会システム。「責任者出て来い!」は予期せぬ事態を想 定しなかったことに対する責任?。想定できれば"予期せぬ事態"ではない。人災 といっても個人に問題のあることよりもシステムにあることが多い。 日本人はシステムに責任を取らせることを不得意とし、システムの長という個 人に責任を取らせるというまやかしに満足する国民かも知れない。 そうすることで長は必死になるが、事なかれ主義が発展を阻害することが おおい。

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