なぜ燃焼の研究をするのか

1998.04.12 K.Kishimoto
2008.10.15 K.Kishimoto

この研究室は熱エネルギー研究室です。熱エネルギーの分野のなかでも, 高効率で,クリーンな燃焼方法を実現するための技術開発や, 非定常熱現象,特に振動や変動をテーマとしています。 これに付随して,高速で大量のデータを収集して解析する方法, レーザーを用いた非接触燃焼計測や,燃焼装置が正しく動作しているかどうか調 べる燃焼診断も取り扱っています。
地球温暖化現象大気汚染は,地球の生物形態を累積的に変化させています。 珊瑚の白化現象, エルニーニョ,ナニーニョなどという気象現象がもたらす異常乾燥や洪水, 酸性雨による森林破壊などは,人為的要因があるといわれています。
さらに, 環境ホルモン障害といわれる生物の奇形発生や, 生殖能力低下など死滅の原因となる物質をつくり出し ている犯人の片棒を人間が担いで自滅行為を行っているのも,確かです。
経済活動は大量エネルギー消費社会をつくり出し, 相乗効果でどんどん人間の生活は豊かで文明的になってきますが, エネルギーの大半は燃焼によって賄われています。 この燃焼が現在の汚染や公害をつくり出しています。

○ この解決は?

エネルギーの消費を抑えることが, 僅かに破滅へのカウントダウンを緩めること になります。 しかし,先進国である日本やヨーロッパ,アメリカの諸国は,ブラジルの環境国 際会議の前に,世界中に「エネルギーの消費を抑えましょう」と呼びかけました。 でも, 後進国から, この呼びかけは「先進国のエゴ」 と一蹴されました。
確かに先進国の我々は, 地球がまだきれいなころ, 酸性雨も森林破壊も起こっていない時期に石炭を掘り, 石油を燃やして, この経済的優位を築いてきたわけです。 さんざん甘い汁を吸ってから, さあ,甘い汁はもう無いのでみんな吸っちゃダメというのでは合意は得られません。
そこで, 「エネルギー消費の抑制」から 「炭酸ガス排出割り当て」に対策の大変 換がなされました。 この選択は,先進国にとっては,極端なケースとして次のようなテーマとなりま す。 これは極論ですし,どちらも受け入れ難いテーマです(1998年現在)。 そして、現在でも環境は変わっていません。 しかし, 現在のまま放置すれば,どちらかを選択しなければならなくなります(1998年現在)。 日本ではタブーとなっている原子力発電も有力な選択肢になるのです。 2008年、現在では新潟地震で破壊された東京電力柏崎原発の停止は、 わが国の大きなエネルギー問題となりました。
ですから, が必要となります。しかし,これらは特効薬的に効果の上がる方法ではありません。 我々は
この中で,燃焼に関与して

○ 高効率で,クリーンなエネルギー生成方法を研究する。

が,この研究室のテーマなのです。
自然が処理するだけの二酸化炭素を放出するだけで最高の文明を築き上げるには 英知が必要なのです。

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破滅へのカウントダウン

● 地球温暖化

地球の温度が上がると, 極地方の陸上氷が解け始めて,水位上昇に繋がります。 ところがもっと恐いことに, 極氷には大量のメタンが含まれています。 このメタンガスも大気に放出されるのです。 メタンガスは,大気では, 炭酸ガスよりも非常に大きな温暖化効果(56倍)を持つガスです。 そして,なお悪いことにオゾン層破壊の犯人でもあるのです。
一度, この極氷がとける速度がさまざまな学者の提唱するある レベルを越えてしまうと,温暖化は人間の制御を越えることになります。 また, この海洋の僅かな温度上昇はハイドレートとして, 海底に眠る多くの 炭酸ガスやメタンの目を覚ますことになります。
ひとしれず船や航空機が行方不明になるバミューダトライアングルって知って いますか。ハイドレードが犯人とも推測されています(1998)。
[深海のYrr(ランク・シェッツィング著、北川和代訳、ハヤカワ文庫)]には メタンハイドレートの気化と大陸棚崩壊による 北海での大規模な地滑りによる大津波など、 フィクションとは思えない温暖化の悲劇が書いてあります。
カタストロフィー的に地球は温暖化し, 南極の永久氷の溶解によって、 標高の小さな島や国は水没し, 人間はより標高の高い位置に移り住むことになります。 人口が60億の世界の面積で, 今住んでいる都市の面積の 20%以上を放棄することになります。
これが,早急に対策しなければという危機感を訴えたい理由です。

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