今年は「小潮で,風強し」から与論旅行が始まった。 最後は「昼間の大潮で, 風穏やか」で終った。 できれば,期待膨らむ前半に「大潮,風穏やか,薄曇」があれば,最高であるが これも巡り合わせ。一年も前からこんな時期を狙っても, 大島運輸も台風も計画をちゃんと建てさせてくれない。
男ばかりの所帯でいくので,若い女性との出会いは現地調達。
ダイビングという明確な目的でもあればいいが,
目的の一つには部屋に籠って,勉強することがあり,
後は,本州との習慣の違いや,島の人達とどう出会うかという日常的なことが
目的であるので,遊びにイメージがない。
最近の嫌な言葉でいえば「ナンパ」である。
しかし,毎年,同じ時期(8月の下旬)に,同じ場所(与論)に,同じ民宿(東区の
竹丸荘)に泊まるので,
旧知の「ナンパ」の被害者が尋ねてくれ,嬉しい出会いもある。
さらに,買いものはかめや,昼は赤崎のサンライズ,お土産は赤崎の Yoron
Market と2人のおばチャンが飾りものを売っている汚い小屋と相場は決まって
いる。もちろん茶花にも出かける。
夜ともなれば,ふらふらと Yoron Market まで,アイスクリームを食べにゆく
のが日課。学生の目当ては可愛くやたら明るい娘。
初日, 毎年観察している場所, ウドノスの浜から約200m強離れた枝珊瑚の群落を学生と一緒に泳いで見に行った。 薄い水色のスズメダイやツノダシ,チョウチョウ魚,クマノミなどが 昨年より増えていたし, 千匹にもなろうかという 5mmたらずのスズメダイの幼魚やチョウチョウ魚の幼魚も見ることができた。 昨年は茶に変わった造礁珊瑚の周辺にしか見られなかった枝珊瑚が 黄緑色鮮やかに全体を覆っており, 珊瑚礁以外ほとんどないといわれる海洋の酸素発生を今年は見ることができた。 まさに,陸上の森林に相当する豊かな生態系を,蛮刀を持って分け入らなければ ならない場所ではなく,海水パンツ一つで行ける場所で見ることができる。
まさに,与論ひいては人類の財産とでもいうべき豊かな自然である。
天候とこちらに計画で,とうとう今回の旅行ではこの場所に一回しか行けなかった。 写真もとれなかった。ちょっと残念である。
小さな島であるにも関わらず,島の北側はほとんど観光客が来ない。 しかし,浜は清純で細やかである。潮の流れの早いことが多いのであるが, 浜からリーフまでが近いこともあり, 毎年,リーフに渡って潮干狩をする。 残念ながら,小潮で風の強い日にリーフに渡ったため, 潮干狩とは行かなかったが, 礁池の中の岸に近い部分,枝珊瑚の多い部分, 礁池の中に直径5m程度の塊がここあそこと転がっている珊瑚のある部分, リーフ近くの水深数cmの浅過ぎて泳げない部分と 生態は潮の流れに則して分布していることを, 学生は多くの色とりどりの小魚と泳ぎながら経験できたはずである。
与論は,小さな島であり,絶えず東シナ海流で西から洗われている。 島の東側はこの潮流の後流で,遠浅の砂浜が広がる。 この島の砂は, 貝殻や珊瑚の真っ白な破片と有孔虫の肌色の死骸だけで出来上がっており, 場所によっては極めて細かい。 遠浅の砂浜,大金久海岸の沖合いには 引き潮になると, 砂地だけの小さな丘が顔を出す。これが,観光スポットとしての百合ヶ浜である。
ただ白いだけの砂浜であるが,絵にはなる。しかし, 観光客は,数少ないこのスポットに殺到するため, この小さな島は,海開の江ノ島海岸のごとくなり, 興ざめではあるが,現代の海水浴場そのものの風景でもある。
小船を頼んで,この百合が浜を横目で見ながら, クロバナ海岸の沖まで出た。 クロバナ海岸は,まっ青な枝珊瑚の群生があり, 浜のちょっと高いところからでも,この 青さを見ることができた。しかし, 今年は,このまっ青な枝珊瑚は群生となっておらず, ポツポツと点在するばかり。範囲は広くなっているので, 青珊瑚の量自体はあまり減少していないと推測できるが, クロバナ海岸の青枝珊瑚群生を丘から見るのもなかなか良かったので, 少々落胆した。
7日目に大潮の引き,波穏やかというチャンスに恵まれたので,少々潮の流れは
あったが,好機とばかりに勢いにのって,
歳も考えずに,赤崎の浜からリーフまで,泳いで往復。
毎年見るが,数年前から比べると,淡色の珊瑚の成育が際だって見られた。
新しい大型のテーブル珊瑚の群落が増えたし,魚群も豊富だった。少し
海もきれいになったのかなと安心したが,
珊瑚の盛衰に周期があるという説もある。
シマンチュの岡部さんが,ハキビナや琴平神社の下の海岸の珊瑚が異様に白いので, 全滅かも知れないというので,早速,調べにいったが, 白い珊瑚がたくさん,着底しており,異様なくらいに,浜が白く見え驚いた。 全部の珊瑚がいきていました。 しかし,台風の少ないせいで海水温度が例年より5度以上も高く, 珊瑚と共棲し珊瑚に栄養を補給しているけい草藻という植物が珊瑚からはなれて 白くなっている白化現象というのだそうである。
与論の人的災害ではないことにちょっと胸をなでおろしたが, しかし,茶花湾の汚さは,昨年に増してひどく,臭気を放つようになっている。 昔はこの海岸でも泳いだ。 しかし,今は 大きな与論の恥部であり,汚点となっている。 観光ホテルは,直接,景観という点で,ダメージを被ると思うのですが,誰も指摘 する人はいないのでしょうか。
この恥部を土木工事で隠してしまおうという与論の町の方針が理解できない。 土木工事より大切なものもある。 しかし,議論は別なところでしようと思う。 議論するとせっかくの与論ゼミ旅行を台無しにしそうである。
そろそろ写真も出来上がる。ここに張り付ける予定である。乞う御期待。
いつもの竹岡さん家族やサンシャインの野口さん,南 風荘の野口靖夫さん。南海荘の有村の親父,ウドノスの治夫さんや殿下に会えた が, 今年は,MLのおかげで,電気屋の山根さん,流通センターの岡部さんのも会え た。嬉しい限りである。
以上